秘密


「…何でみんな赤なの?」


着替え終わった佐野君達、男子バスケチームは何故かみんな赤いTシャツを着ていた。


「…俺。赤で負けた事無いんだよ、験担ぎ?みたいな?」


佐野君がそう言うと、着替え終わった女子バスケチームの子達も教室に戻ってきて、その子達もデザインはまちまちだけど、赤いTシャツを着ていた。


みんないつの間にそんな話ししてたんだろう…
ちょっとだけ疎外感…

…私もバスケ、やりたかったな。


それからみんなと一緒に体育館へ。


結構練習している生徒達が居て、拓也君と美樹ちゃんの姿も見えた。


私はステージの上でみんなの荷物係としてコート全体が見渡せる特等席を陣取った。


ここからなら試合中も写真が撮れる。


『只今より球技大会の組み合わせの抽選を行います。各チームの代表者は、生徒会室に集まって下さい。繰り返します…』


校内放送が聞こえてきて、宮地君と沢田さんは生徒会室へとくじ引きをしに行き、他の子達は私が居る荷物置き場に戻ってきた。


「…だから、とにかく俺か貴司にボール繋いで、福田はゴール下で両手上げてるだけでも威圧感あるから、真木は福田の横に付いてて、ボールの取りこぼしが無いように、生田は足が早いからパス受けたらとにかくゴールに走って、チャンスがあったら迷わずシュートして、それから……」


男子チームは真剣に佐野君の話を頷きながら聞いていて、その緊張が伝わってきて、いよいよ始まるんだと、私は自分が試合に出る訳でも無いのに、胸がドキドキしてしまっていた。


「佐野君。凄いやる気だね?」

隣に座る女子バスケの子が話しかけてきて、ドキドキ緊張していた私はちょっとビックリしてしまった。

「えっ。…そっ…そうだね」

「ホントに男子、優勝しちゃうかもね?」

「…うん。そうだね、女の子チームも頑張ってね」

「あはは。うん。奥村さんの分も頑張るよ」

「写真、いっぱい撮るから」

私がデジカメを持ち出すと、

「げ、写真撮るの?ヤバ!メイク直さないと…」

そう言って鞄の中を探るその子に少しだけ苦笑いして、再び佐野君に視線を移した。


いよいよ始まる。


……佐野君。


頑張って。




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