秘密
プレゼント用に包装してもらい、店を出るけどまだ12時半。
約束の時刻までまだ少し時間がある。
「…どっか見てみたい所ある?」
「ペットショップ」
「ペットショップ?」
「うん。暇潰しには丁度いいよ、行こう、佐野君」
同じフロアにあるペットショップに行く事に。
外からガラス越しにペットが見えるようになっていて、子犬や子猫が一匹づつ仕切られた部屋に入っていて、その身悶えする程の愛らしい仕種に、通りすがる人々が胸を撃ち抜かれていた。
…マンチカン…か…かわええ…
「わあ…可愛いね?佐野君」
小動物に匹敵するその笑顔にも撃ち抜かれてしまった。
「中に入ってみる?」
「うん」
ショップの中に入ると、犬猫だけじゃなく、ハムスターやモルモット、文鳥、インコ、何故か昆虫までもが居た。
さすがに触る事は出来ず見るだけだけど、見ているだけでも癒されて、口元がだらしなく緩んでしまう。
「あ。トリミングもやってるんだ」
奥に進むと、ガラス越しにプードルがバリカンで毛を刈られていて。
「…何でプードルってあんな感じに毛を刈るんだ?微妙に残す意味がわからん…」
「そうだね…でも全部刈っちゃったらおかしいでしょ?」
「……チワワになるな…」
「ぷっ…チ…チワワ、ぷぷっ」
どうやらツボッたらしい。
「佐野君、あっち、ペットのお洋服とかもあるよ」
なんて。
店内を色々とを見て回っていたら、時間なんてあっという間で。
「そろそろ行こうか?腹減った」
「うん。…佐野君てなんかいつもお腹空いたって言ってるよね?」
「は?そうか?デカイからガソリン喰うんだよ、はは」
「……なるほど、そうだよね?大きいとそれだけ消費する量も大きい訳だから、それに見あったエネルギーを摂取する必要がある訳で、その容量によって…」
何やらブツブツと難しい事を呟いている奏を促しペットショップを後にする。
飲食街は三階。
再びエスカレーターを上がり三階へ。
目的の回転寿司屋に到着。