秘密
◇◇◇
「オープン初日。見事に完売、みんなのお陰だ…ホントに…ありがとう…」
ラストのお客様が出て行って、カケルさんは入り口にcloseのプレートを下げながら、私達を振り返り、私達は後片付けに追われながら、そんなカケルさんの話を聞いていた。
「これから打ち上げやるから、全員参加な?」
カケルさんもテーブルを拭いたり椅子を綺麗に並べたりしながら、私達従業員と同じように後片付けをしていて、それを見ながら明日の仕込みをしていた高宮さんが。
「オーナーはそんな事しなくていいから、金の計算でもしてろ」
「金なんかどうでもいいよ…今日はみんなと同じように、俺のこの店…綺麗に掃除したいんだ…」
「……は。そうかよ、俺は今日の売り上げが気になるけどね?」
「あはは。売り上げは間違いなく七桁はいってるよ。心配すんな、チーフ」
「チーフとか言うなよキモい…いつもみたいに敦って呼べよな?調子狂う…」
働き始めてわかった事は、カケルさんと高宮さんが高校の頃からの同級生だと言う事。
二人はお互い名前で呼び会う程仲がいい。
カケルさんの本名は御村翔。
カケルと言うのはホスト用の名前で、ホントは他のみんなみたいに、オーナーって読んだ方がいいと思うんだけど、カケルさんがカケルていいって言ってくれたから、そのままで呼ばせてもらっている。
それに今さら、オーナーとか御村さんとか呼ぶのはちょっと違和感がある。
カケルさんはやっぱりカケルさだもん。
しかも30歳って。
カケルさんは若く見えるから、最初に知った時には少し驚いたけど、何でもよく知ってるし、落ち着いてるし、よく考えてみたら年相応なのかも。
「奏ちゃん?疲れただろ?」
冷蔵ケースの中をエタノールで綺麗に拭いていたら、ケースのガラス越しに、カケルさんが聞いてきて、私はケースの戸を閉めて立ち上がり。
「ちょっとだけ…でも凄く楽しかったです。働くって大変だけど、凄く気持ちいいですね」
笑顔でそう答えると、カケルさんも同じように笑って。
「うん。そうだね、楽しく働くのが一番だね?あ。打ち上げ、響屋に行くから」
「オープン初日。見事に完売、みんなのお陰だ…ホントに…ありがとう…」
ラストのお客様が出て行って、カケルさんは入り口にcloseのプレートを下げながら、私達を振り返り、私達は後片付けに追われながら、そんなカケルさんの話を聞いていた。
「これから打ち上げやるから、全員参加な?」
カケルさんもテーブルを拭いたり椅子を綺麗に並べたりしながら、私達従業員と同じように後片付けをしていて、それを見ながら明日の仕込みをしていた高宮さんが。
「オーナーはそんな事しなくていいから、金の計算でもしてろ」
「金なんかどうでもいいよ…今日はみんなと同じように、俺のこの店…綺麗に掃除したいんだ…」
「……は。そうかよ、俺は今日の売り上げが気になるけどね?」
「あはは。売り上げは間違いなく七桁はいってるよ。心配すんな、チーフ」
「チーフとか言うなよキモい…いつもみたいに敦って呼べよな?調子狂う…」
働き始めてわかった事は、カケルさんと高宮さんが高校の頃からの同級生だと言う事。
二人はお互い名前で呼び会う程仲がいい。
カケルさんの本名は御村翔。
カケルと言うのはホスト用の名前で、ホントは他のみんなみたいに、オーナーって読んだ方がいいと思うんだけど、カケルさんがカケルていいって言ってくれたから、そのままで呼ばせてもらっている。
それに今さら、オーナーとか御村さんとか呼ぶのはちょっと違和感がある。
カケルさんはやっぱりカケルさだもん。
しかも30歳って。
カケルさんは若く見えるから、最初に知った時には少し驚いたけど、何でもよく知ってるし、落ち着いてるし、よく考えてみたら年相応なのかも。
「奏ちゃん?疲れただろ?」
冷蔵ケースの中をエタノールで綺麗に拭いていたら、ケースのガラス越しに、カケルさんが聞いてきて、私はケースの戸を閉めて立ち上がり。
「ちょっとだけ…でも凄く楽しかったです。働くって大変だけど、凄く気持ちいいですね」
笑顔でそう答えると、カケルさんも同じように笑って。
「うん。そうだね、楽しく働くのが一番だね?あ。打ち上げ、響屋に行くから」