秘密



校内から出て奏と体育館へと向かう。

体育館に近づくにつれ、キュッキュッとバッシュを鳴らす音が聞こえてくる。

入口から中を覗き込むと、紅白戦をやっている様子。

一二年を混ぜての試合をやっているようだ。

もうすぐ地区予選だからな。
ベンチ入り出来そうな後輩の選別をやってるんだろう。

「あ、先輩!中にどうぞ!」

リョータが俺達を見つけて手招きする。

するとバスケ部員がこぞって俺達に目を向ける。

「おら!お前達!まだ試合中だぞ!集中!他の奴らも声出せ!本番だと思え!」

リョータの一言で再びバッシュの音が響き出す。

靴を脱ぎ体育館に入ると、数人の部員が駆け寄ってきた。

「佐野先輩!」
「キャプテン!」
「久しぶりっす!」

「タケ、コースケ、ユウト。何だよお前ら、みんなデカくなりやがって」

俺は次々にやつらの頭を小突く。

「しかもリョータ、キャプテンか?あんなに練習キツイって泣いてたチビッ子が」

「昔の話っすよ!今じゃ佐野先輩バリの鬼キャプテンっぷりですよ?」

とタケが言うと、コースケが、

「憧れの佐野先輩リスペクトしてるんですよ、あのバカは」

「そうそう。足元にもおよばないくせにな!あはは」

ユウトが笑う。

「うるせーよ!お前ら!」

リョータがこちらを見て怒鳴る。

ホントにみんなデカくなった、1年の時はみんなチビで華奢で、毎日の練習でも俺に怒鳴られて時々泣き出したり…

……はは。

みんな頑張ってきたんだな…

−ピピィー!

「よし!終了!10分休憩!」

笛の音と共に、一斉にバラけて体育館の隅のクーラーボックスのドリンクに駆け寄る部員達。

みんなチラチラとこちらを見ている。

そりゃそうだろうなな。
むちゃくちゃ部外者だし。

リョータがペットボトルを2本持ってきて、俺と奏に差し出した。

「サンキュー」
「ありがとう」

受け取り蓋をあけて半分位まで一気に飲む。

そう言えば喉乾いてたんだった。

「先輩!」

ユウトがボールを俺に投げてきて、片手でそれをキャッチ。


「先輩の華麗なシュート、後輩達に見せてやって下さいよ!」



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