秘密
「…じゃ、また明日、学校で」
佐野君はバイクに股がり私の頭を軽く叩く。
「…また明日…佐野君」
「うん。おやすみ」
「…おやすみなさい」
エンジンをかけ、軽く手を上げると、アクセルを回し公園を出て道路を走り出した。
バイクのエンジン音が聞こえなくなってから私は携帯を取り出し、電話をかける。
「…あ。美樹ちゃん?遅くにごめんね?」
『かなちゃん、いいよ、どうしたの?』
「あの…実は…美樹ちゃんにお願いがあるの…」
『なになに?』
「あのね…美樹ちゃん今日一日何してた?」
『今日はね、拓也と映画見に行って…あ。映画館で拓也の中学ん時の友達に会って、それからみんなでカラオケに行ったよ?』
「…あの…もし…佑樹に何か聞かれたら…今日私もその中に居たって事にしてくれないかな?」
『……何かあったの?』
「……ごめん、美樹ちゃん…それは言えない…無茶苦茶な事言ってるのはわかってる…でも…こんな事頼めるの美樹ちゃんしか居ない…お願いします」
『……なんか、訳ありっぽいね?うん。わかった、拓也にもそう言っとく』
「ありがとう。美樹ちゃん、ホントにありがとう、ごめんね…」
『いいって、かなちゃんにはいつもお世話になってるし、かなちゃんがそんな事言うの初めてだし…よっぽどの事情があるんだって思うから…』
「…美樹ちゃん…」
『あたし、嬉しいよ。かなちゃんがあたしの事頼ってくれて…かなちゃんって…何でも一人で考えて一人で解決してるって思ってたから…これからは何でも言ってね?あたし、かなちゃんの事、親友だと思ってるから…』
「…ありがとう…美樹ちゃん…」
私は喉の奥が苦しくなり、涙が滲んできてた。
『…かなちゃん?泣いてるの?』
「…美樹ちゃんが…私の事…そんな風に…思ってくれてるなんて…知らなくて…嬉しくて…」
『かなちゃん…あたし、いちばんの仲良しはかなちゃんだよ?だから、お礼もお詫びも言う必要ないよ?』
「…うん。美樹ちゃん、大好きだよ…」
『告白?』
「うん。愛の告白…へへへ」
『あはは。あたしも愛してるよ』
…美樹ちゃん、ホントにありがとう。