秘密



「…ただいま…」

玄関を開けて中に入ると、お父さんのじゃない男物の靴があり、ドキリとした。

佑樹の靴だ。

「お帰り。遅かったな?電話したんだぞ?佑樹君来てるよ」

ダイニングでテレビを見ながらお父さんはそう言った。

「…うん。ごめんね?携帯バックに入れっぱで、映画見て、その後カラオケしてたから、気付かなかった…夕飯は?」

「適当に食べたよ。佑樹君待ってるだろうから、部屋に行ってきなさい」

「…うん」

靴を脱ぎ家に上がると、真っ直ぐに部屋へと向かう。

心臓がバクバクいっているのがわかる。

大きく息を吸ってドアを開ける。

「…随分遅かったな?」

いきなり不機嫌な佑樹の声に、私は後ろ手にドアを閉めた。

「ごめんね?美樹ちゃんと映画行って、カラオケしてたら遅くなっちゃった…電話も気付かなくて…ごめんなさい…」

「美樹ちゃんとだけか?」

「…ううん、美樹ちゃんの彼氏の拓也君と他何人かで…」

「…ふうん…そのジャンパーは?何?」

心臓が跳ね上がった。

しまった!忘れてた!
佐野君のスタジャン着たままだったんだ!

「…それ?男物だよね?」

「…あの…これは…拓也君の友達が…帰り寒いだろうからって…貸してくれたの」

私は慌ててそう答えた。

「…で?借りて着てる訳だ?」

「…うん」

「…今日…何回も電話したんだぞ?」

「…うん。ごめんなさい…」

佑樹は私に近付くと、スタジャンを脱がせて放り投げた。
そして腕を掴み引っ張ると、ベッドに押し倒す。

そのまま激しくキスをしてきた。

「…んっ」

Tシャツとブラをめくり上げて、私の胸を乱暴に掴んだ。

「…やめてっ、佑樹、お父さんが居るし…んっ」

また口を塞がれた。

ダメ!やめて!

私は力を振り絞り、佑樹の身体から逃れようと必死に抵抗した。

「…言う事聞けよ…俺は今やりたいんだ…」

耳元で、今まで聞いた事がないような佑樹の声に、私は身をすくめた。

……何?今の…佑樹?

「…あんまり、声、出すなよ?」


言うと佑樹は私のジーンズを下着ごと脱がせると、足の間に割って入ってきた。


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