債務者ゲーム
俺は歩かせられながら考えていた。

オンラインゲームで借金返済とはどういうことなのだろうか。

レベルをひたすら上げてIDを販売することや、ゲーム内通貨を集め、ユーザーに販売してリアルマネーに変えること。

考えてもこんなパッとしない様なことしか出てこずに悩んだ。

「着いたぞ」

ピッピッと、何かの電子音が聞こえ、次にゴゴゴゴゴゴと言う何かを引きずったような音が聞こえた。

そして俺のアイマスクと手錠が外された。

「な…」

驚く俺の目の前には、お城にも無いであろう巨大なぶ厚い鋼鉄の扉が開かれていた。

さっきの電子音は扉のパスワードを打つ音で、何かを引きずった様な音は、扉が開く音だったのだろう。

しかし俺がそれよりも驚いたことは、卒業式の様に綺麗に並べられたパイプ椅子に、数え切れないほどの人々が座っていたことだ。

パッと見て数千、もしかしたら万は人がいそうな感じがした。

それほどこの部屋は広く、だだっ広い体育館みたいな部屋だった。
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