債務者ゲーム
「あ…あ」

その男は壇上のマイクにスイッチが入っていることを確認すると、俺たちに説明を始めた。

「こんばんは。私は常盤(ときわ)です」

これを聞いた会場はざわつき始めた。

常盤と言えば有名ゲーム会社の会長で、誰でも気軽に日記を書いたり、コミュニケーションを取れるサイト、switterで、フォロワー数が日本一の人物である。

俺も当然だが知っていて、改めて良く見るとプロフィールの顔写真と顔が一致している。

「早速だが、今から何故君たちがここに集められたかを説明する。まず始めに、君たちには各々大なり小なり借金があるのだが、それは私個人が返済しておいた」

これを聞いた会場はさらにざわつく。

当然だが借金を返済しておいたと言われても実感がわかない。

誰かもわからない奴の借金を返済するなど普通では無く、仮にここにいる一万人全員が、俺と同じように借金が三百万あったとすると、常盤は三百億も払ったことになる。

それに常盤ほどの大物でも、三百億を気軽に出すなど出来ることではないだろう。
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