きみの声がきこえない

「で、何があったの?」

「いや、うちの学校の制服の奴が、

他校の奴等に絡まれてて、話しても通じないから、殴り合いになっちゃいました」

「もう…ねぇ、本当のこと言おう?

学校では、陽介がむしゃくしゃして他校の生徒に手を出したってことになっちゃってるんだよ?あたしも一緒に先生に説明するから」

「俺のことはいいんだよ。しばらく学校休めてラッキーって思ってんだから」

「ラッキーって…」


何で理不尽な謹慎処分受けてる奴が、

こんな明るく笑ってられるんだろ。


「それよりお前は大丈夫だったのか?」

「え?」

「三角関係だよ」

「ああ、うん。ちゃんと話し合って、和解したよ。

まだちょっとぎくしゃくするかもしれないけど、元に戻れると思う」


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