きみの声がきこえない

どこ?陽介。


耳を澄まして。

陽介の声をきくことだけに、神経を集中させて。


ぜんぶ、ぜんぶ、

陽介につながるように。


雲行きが怪しい。

風で卒塔婆がカタカタと揺れ、埃が舞う。


黒々しい世界から、

あたしはとうとう陽介の姿見つけた。


いた!


陽介はお墓の前で立ちすくんでいるように見えた。


「陽介!」
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