きみの声がきこえない

どんなに傷ついても


あたしは、陽介が好きだ。


こんな気持ちは始めて。


陽介の弱さを受け止めてあげたい。

陽介を苦しめているすべてのものを取り払ってあげたい。


そして、陽介と笑い合いたい。

陽介の傍にいたい。


あたしは優香さんに教わった高台の墓地に辿り着いた。

自転車を乱暴にとめて、あたしは辺りを探した。


―――琴音。


どこからきこえる?

どこから?
< 87 / 100 >

この作品をシェア

pagetop