ご主人様に首ったけ!
いざなうように肩を抱かれ、私はおかしな声を上げてしまう。


「い、いいいえっ!な、なんでもないですっ」


私は真っ赤になった顔を隠すように、俯きながら返事をしたけど、絶対変に思われたよぉ!


「あはは、露は面白いね」

「う……」


好きで面白くしているんじゃありません!


……と言いたいところだけど、恥ずかしくてそれも口に出来ず、ただただ俯いてしまう。


「かわいいなぁ」

「!?」


小さく呟かれたその一言に私は耳を疑って、霧様を見上げたけどそれ以上は何も言うことなく……でも、肩に置かれる腕は外される事なく、霧様の部屋へと足を進めた。

< 43 / 374 >

この作品をシェア

pagetop