ご主人様に首ったけ!
そして、もう一度その場所を伝えると、案の定霧様にくすくすと笑われてしまった。


「ははっ、喫茶店か。
露は欲がないね」

「だって、あの、えっと、私、すごく夢で……っ」

「夢?」

「はい。
あの、素敵な彼と喫茶店デートしてみたかったなぁって……、って、あれ?」


霧様に問われて、素直に私の理想をお話したけど……。

今の言い方だと霧様が私の彼氏だって言ってるみたい……?


「やっ!あの、その、霧様が彼氏って訳ではなくてっ、その……殿方とデートを
っていうか……あ!でも、決して霧様が嫌って訳でもなくてっ、その……」


言えば言うほど胡散臭くなって、どう説明していいか分からない。

ふえ~っ。
霧様に誤解されちゃうよーっ。


上手い言葉を見つけられずパニくっていると、霧様は私の頭をポンポンと叩いてきた。


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