貴方の恋人になりたいです



「なにすんのよ!このセクハラ男っ!」


まだ首筋に顔を埋めている相手の肩をポカポカと叩くが、まったく離してくれない。


離れるところかますますエスカレートしてしまった。


「いっ…」


ツキンと首筋に痛みが走った。そしてそこをザラリと濡れた舌が舐めた。


「やだ、ほんとに離して…」


怖くなって無意識に体が震えてしまう。


瞳に涙が滲んでくる。


やっと顔をあげた彼は、そんな私を見て少し困ったように眉を下げた。


「男にそないな顔見せたらあかんで?」


「そんな顔ってどんな顔よ。大体私になにしたの?」


キッと相手を睨みつけて言った。


「なにって、キスマーク。」


そう言って彼は艶っぽい、色気をはらんだ笑みを浮かべた。


「なんでそんな……」


「ん~…、誕生日プレゼント?」


と、キスマークのついた部分を親指でそっと触れた。


「ほなな。」


チュッと私の額に口づけて、部屋を出て行った。





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