貴方の恋人になりたいです
彼は私の隣にストンと座り、顔を耳元に近づけきた。
ただそれだけなのに、何故か心臓がバクバクと痛いくらいに跳ねる。
「なんでも言うこと聞いてくれるんやろ?」
艶っぽく、色気の含んだ声で囁かれる。
その声に、まるで耳から犯されているようで目眩がする。
「約束だもの。私にできることならなんでもするわ」
動揺を悟られないように、彼を睨みながらそう言った。
「なんでもなんて、言うもんやないで」
相変わらず私の耳元で、苦笑しながら彼は困ったように言った。
グッと歯を食いしばり、次の彼の言葉を待つ。