貴方の恋人になりたいです
───次の日の朝───
「朔良、朔良!!」
「ん…………」
「朔良、利緒どこ行ったか知らへんか?」
「え…………」
「あいつ置き手紙だけ置いてどっか消えてん!!」
そう言って私の目の前に、握りしめていたくしゃくしゃの手紙を突きつけた。
「やりたいことあるから言うて……それにいつ帰れるかわからんってなんや!朔良なんか知らへんか?あいつほんまどこ行きよったんや!!」
那智にぃ、知らなかったんだ。おじ様とおば様も……
じゃあどうして、私のところに伝えに来てくれたの……?
どうして…………?
「朔良?」
「昨日の夜、利ぃくんここに来たの」
「なんやて!?それほんまか?」
「うん。那智にぃが言ったとおり、どうしてもやりたいことがあるって。帰れるのは一年後か十年後かわからないって……」
私は無機質な声で淡々とそう答えた。
「他にはなんか言ってへんかったか?」
「他には………
那智にぃと結婚してくれって」