KAGAMI


何回考えただろう?

外から少し物音がしただけで、玄関に目を向けてしまう。



だいたい、アタシが一人で家に居る事は滅多にない。
コンビニも買いものも全部一緒に行くし、想太くんは外出をめんどくさがるから。


ぽつんとした空気。

当たり前か、一人なんだから…


一人。

その事がやけに寂しい。



今まで一人は避けてきたから、かな。
見慣れたこの空間で、聞き慣れた声が聞こえないだけで


ここは知らない所みたい



ぱっと思い出した言葉。

『メールする。』
想太くんは確かにそう言ってた。

想太くんからの着信音量は、メールも電話も最大に設定してある。
もし鳴ってたら、聞こえないはずがない。
しかも今は、無音で一人なんだから。
音をかき消す障害は、ひとつもない。


それはつまり、まだメールは来てないってこと。



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