KAGAMI


メールしたい。
連絡が欲しい。

そう咄嗟に携帯を手に取ったけれど
見つめて、戻した。

家の事を全て終えてから。
そうじゃなきゃ、連絡する意味がない。
寂しいから連絡した、なんて言えないしそんなめんどくさい女にもなりたくない。

全部終わって、ご飯を作って待ってる。
想太くんはそれを知れば、きっとすぐに帰ってきてくれる。


そう思えば、今まで以上に家事の手が早くなった。
マッハで終わらせた時には、きっとメールが来てる。


手を付けた掃除を再開させ、風呂も綺麗にした。
そしてお湯を張るセットをする。
夕飯の下ごしらえを終えて、後はハンバーグを焼くだけになった。
干した洗濯物を丁寧に畳む。



その間に、アタシのケータイが鳴ることはなかった。


忙しくて、ケータイいじる暇が無いのかも!

アタシは嫌な予感をかき消してケータイを手に取る。



『夕飯の支度出来たから、早く帰ってきて。』


絵文字の1つもない、女らしさ0のメール。
それでも想太くんの、少しだけ笑う姿を想像した。
そして送信ボタンを押す。


早く、届け…。


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