KAGAMI


アタシは夕飯も食べずに、寝る支度をした。


なんで。とかどうして。とかは考えない事にした。

一人でお風呂に入る。



ぽちゃんー…

蛇口から垂れた水滴が、洗面器の中に落ちる音を聞く。



今頃、想太くんは片平さんにあの笑顔をみせてるんだろうか?
アタシの大好きなあの顔を…


何もしなくてもくるくるの、細い栗色の髪。
何もしなくても繊細な、真っ白で綺麗な肌。
長いまつ毛と、大きな黒眼。
つり上がった唇。


神様がアタシのは与えてくれなかった、全て。

それが、憎い。


彼女は、想太くんが好む全てを持っている。

女の子らしくて、アタシとは正反対の全て。


華やかなメールも、
艶やかな所持品も、
アタシなんかが真似したら、きっと笑われる。


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