KAGAMI
ほら、だから嫌。
人の事を考えられない。
今だって「誰だっけ?」って聞く隙すら与えてくれない。
この人達の視界は、全部自分中心。
「おれ、赤澤見つける天才だと思わねえ?」
罪悪感とか、感じないんだ。
アタシにはそれが考えられない。
要するに、ガキなのよ。
「って赤澤?」
黙ったまま見てたのを、やっと不思議に見えたんだろう。
上にあった顔をアタシの目線まで持ってきて顔を覗く。
「こらー高杉!学校内でナンパすんな!」
と別の方からまた違う男の声が響く。
アタシがそっちを向くのと同時に、目の前の人が声を返した。
「なんだよ田中ー羨ましがんなっ」
田中と呼ばれたその人。
あ、この人は知ってる…
授業で日本史を教えてくれてる、田中先生。
「先生をつけろっていつも言ってんだろ?」
田中先生は持ってたファイルでその人の頭を軽く叩いた。
「ん?」
田中先生はアタシに視線を向けて疑問符を投げかける。