KAGAMI


「なんだ、赤澤。今日は来てたんか!お前単位まずいそー」

それはきっと日本史の単位の事だろう。
あまり学校に来ないから、やばいのは日本史の単位だけじゃない。

「分かってますよー色んな先生にそれ言われてます」

学校用のアタシはいつも笑って喋る。
田中先生はそれに「そっか」といたずらっぽく笑って言い返した。


「先生が女子高生ナンパすんな」

と、アタシに話しかけた生徒が田中先生に言った。

「お前の眼にはこれがナンパに映るのか?」


そしてまたファイルで頭を叩く。
叩くというか、ポンと乗せる感じだ。
その要領で、今度はアタシの頭にファイルを乗せた。

「プリント作っといてやるから、放課後資料室に来るように。」


それだけ言って、田中先生は去っていった。


「はい…」

遠のいていく田中先生に聞こえないくらいの声で返事だけする。
めんどくさいなぁ…どうせ分かんないのに。


「なぁ?」


すると、まだ居たさっきの生徒がアタシの顔を再び覗き込んだ。

「はい?」


さっきと同じ言葉。
そんな事は気にしないように、顔をかしげるその人。


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