KAGAMI
「もう平気です。」
アタシがそう言った後、ざわざわと騒がしかった廊下が静かになっていく。
あ…お昼ご飯…。
「あぁ!購買!」
高杉先輩のそれに気付いたのか、困った顔をした。
「ごめん!俺のせいだよね!!」
その顔を見れば、本当に困ってて悪気が無い事がすぐに分かった。
なんか、想太くんに似てる気がする…。
「よかったら、これで良かったら…」
と先輩はアタシに持ってたビニール袋の中身を見せるように拡広げた。
「誰かを待ってた、とかじゃないんだろ?これでよかったら貰って?」
その中には美味しそうなパンが5つも入っていた。
でも。
「あー…」
言葉に迷った空返事。
昨日の夜から何も食べてなかったせいか、パンを見たら急激にお腹が空いてきた。
だけど、これは先輩のだし…
早く教室で待ってないと…
「結構です。友達待ってるし…」
アタシがそう言うと、先輩は困った顔を続けた。