KAGAMI


「もう平気です。」


アタシがそう言った後、ざわざわと騒がしかった廊下が静かになっていく。

あ…お昼ご飯…。


「あぁ!購買!」


高杉先輩のそれに気付いたのか、困った顔をした。

「ごめん!俺のせいだよね!!」


その顔を見れば、本当に困ってて悪気が無い事がすぐに分かった。

なんか、想太くんに似てる気がする…。


「よかったら、これで良かったら…」

と先輩はアタシに持ってたビニール袋の中身を見せるように拡広げた。


「誰かを待ってた、とかじゃないんだろ?これでよかったら貰って?」

その中には美味しそうなパンが5つも入っていた。
でも。


「あー…」

言葉に迷った空返事。
昨日の夜から何も食べてなかったせいか、パンを見たら急激にお腹が空いてきた。
だけど、これは先輩のだし…
早く教室で待ってないと…

「結構です。友達待ってるし…」


アタシがそう言うと、先輩は困った顔を続けた。


< 221 / 276 >

この作品をシェア

pagetop