KAGAMI

アタシと同じことを、思ってくれるのかな?


そうしたら、悪くない。
昨日の事を、許してあげなくもない。


なんて嫌な予感が的中したくせに、自分に良い方にしか考えない。
何にもない、ただ仕事してただけ、なんて。
昨日のアタシには考えられない事だったのに…

「じゃあ早く行こうか、早くしないと昼休み終わっちゃうよ」


そう言われて、先輩の少し後ろを歩く。

アタシの事が好きって言った人。
本当のアタシを知らないくせに。

作り上げた偽物のアタシを好きって事は
その“好き”も偽物って事だ。

なのに、どうして?


もう一度…
好きだって言ってほしいって思ってるの…


「ここ」


連れてこられた場所は、告白された時と同じ体育館裏。

不良の溜まり場っていうか、
暗いイメージがする体育館裏。
でもここはそんなんじゃない。

陽当たりが良くて、芝生の生えた庭みたい。

ここには人気が無くて、穴場みたいだ。


これは作戦かなぁ?
アタシが今なんだか、先輩を気にしてるのを先輩は分かってるのかなぁ?

だとしたら、アタシは相当分かりやすいって事になる。
やっぱりアタシ…透けてんのかな?


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