KAGAMI


さわやかな感じ。

好青年、という言葉がぴったりだろう。
誰にでも可愛がられてそうな…
誰にでも好かれていそう。

校則に反してるブレザーの下のパーカーも、不良って感じはしない。
むしろ彼らしい。
不自然でもなんでもない。


「え?じゃあ午後は頑張れないですね。」

アタシは笑って言う。
冗談だらけのこの会話は、とても楽しい。

学校用、なんて忘れてしまいそうなくらい引き込まれてる。


「そんな事ねー!頑張ってるよ、おれ」

「説得力無いです。じゃあ何で頑張ってるんですか?」


パンの為に頑張ってる、なんて言うから。
目的が果たされてしまった午後は、何を支えにして頑張ってるんだろう。

って純粋に聞きたくなった。


いつもなら、興味無いって流してしまう会話でも何故か先輩とだと聞きたくなる。



「知ってる?3年は、午後の1回目が毎日体育なんだ。」


何を言い出すのかと思ったら。
質問を質問で返された。


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