KAGAMI
最悪だ…
身体はどんどん寒気が増して震えが止まらなくなってきた。
まだ温かくなっていないこの季節の雨は雪のように冷たく突き刺さった。
そういえば、麻子さんに会ったあの日も夜に雪が降ったな…
こんな風に、僕は麻子さんの事が頭から離れない。
とりあえず、歩いて帰るしかないか。
電車で帰るにも、ガソリンを入れてきちゃったし給料日前で財布に金が入ってない。
所詮バイト。
こういう時、ちゃんと働いてればなぁと思う。
家までは車で15分。
歩いて帰った事なんてないけど、30分くらいで着くだろ
早く帰って寝てから、スペアキーを探して…
と、これからの予定を頭で立てて歩きだした。
車で来たから、傘なんて持ってなかった。
さすがに濡れて帰るのはまずいな…
コンビニで傘を買ってこう…
小走り気味に駅の近くのコンビニに寄った。
「あ…」