戀愛物語
それが恋心だと気がついたのは、中学生の頃だった。
夢の中にいる人物に恋をするなど、おかしな話だ。

けれどこれまでずっと友達もおらず、独りだったみことを支えてくれたのは夢の彼のおかげなのだ。
だからずっと、恋をしていた。彼を想いながら、また夢に見れることを願いながら、眠りについていた。

そんな男の子とそっくりな姿をした、三森巡。
夢の彼とは違うのに、どうしても気になって仕方がなかった。

「……。きゃっ!?」

物思いにふけっていたせいか、前方よく確認していなかったみこと。
広い道であるのに、誰かにぶつかってしまった。急いで一歩下がり、頭を下げる。

「す、すみませ…」


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