戀愛物語
「……」

返事もせずに睨みつける。
くるりと遡羅が背を向けた瞬間、白髪が日に照らされて銀色に輝いた。
けれどそんな輝きよりも光を放つ、二つの大きなものが視界に入る。

何度も、何度も、何度も。

瞳に焼き付いている、左右に広がる白い光。

      ・・・
「ばいばい、迷子君」

桜木からの木漏れ日に反射されるように、映っては消える――羽。

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