戀愛物語
唇の感覚に我に返り、遡羅を押しのけようと彼の胸へ手をつく。
しかし頭と腰を力強く固定されて、どうにもできない。

気がつけば、みことは再び泣き叫んでいた。
声は全て、遡羅の口の中だけに広がっていく。

そんな中、唇が離れた少しの隙に、自分でも意識をしていない名前が紡がれた。
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