千変万化の剣
城、見張り場


「これが、幸大の策?


3人の鉄砲を持った兵士を一発撃つたび交代させ、他の者が撃ってる最中に次弾装填を済ませるとは。


確かにこれなら弾は30秒の時間を10秒で放てる。


奴のいた世界で昔に使われた、か。


我々にとっては新しい戦い方だ。」




「射撃、止め!」

幸大が攻撃を止めさせた。


丘の上にはすでに一人しかいなかった。


幸大はそいつに近寄る。


「よぉ、また会ったな、ネネ。」


「勇者。

貴様か?

この戦法を考えたのは?」


「考えたのは、俺の世界の人間だ。


それから、俺は勇者じゃなくて幸大って名前があんだよ。」


「知っている。

すでにジパングに現れた勇者として有名だ。」


「有名人か。

さて、どうする?」


「どうする、とは?」

「また逃がそうか?

それとも捕まえた方が良いか?」


「貴様は私を逃がしたら叱責を受けるだろう?」

「そうでもない。

この作戦は迎え撃つための作戦。

攻撃を仕掛けてこない奴には攻撃できない。」


「…。

貴様に借りを返しに来た。」

「借り?」

「これだ。」

ネネは上着を差し出す。
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