千変万化の剣
幸大の部屋


ネネ、クノイチ、イヨ、ベンケイそして幸大がいた。


「何なんだよ!

あの野郎!」

ベンケイが暴れる。


「べ、ベンケイさん、落ち着いてください。」

イヨが抑える。


「しかし、クーメルは軍師なだけあるな。


あの場で王女がどちらを選んでも俺達を排除できたからな。」


「どーゆーことだ?」

「王女がたぶらかされてないなら俺をこの国から追放。


もし、たぶらかされた、と答えたら俺は王女をたぶらかしたという名目で罪人扱い。

最悪、反逆罪の疑いにかけられる。


どっち道、この国にはいれなくなる。


まぁ、あそこで先走って答えを出さなかった王女はさすがだが、


あの王女様はどうするんだろうな。」


「なぁ、もしも陛下がお前らにこの国から出ていけって言ったらどうすんだ?」

ベンケイが訊く。


「妾がそのようなことを言うはずがあるか!」


勢いよく扉が開き王女が入ってくる。


「虎姫、入室も静かにできんのか。」

ネネが言う。


「今は特例じゃ!

それよりも、妾がそのようなことを言うはずあるまい。」


「いや、陛下、もしもですって。」


「…もしも、か。


妾も聞いてみたい。

幸大、正直に申せ。」


「出てくさ。」


「…真か?」

「当たり前だ。


俺は王女、あんたの都合で無理矢理この世界に連れてこられた。


あんたの都合で国から追放されても抗う必要はない。


むしろ、俺が抗って簡単に覆るような決断を王女がするとは思えない。


あんたなら、めちゃめちゃ悩んで出した答えを俺に突きつけるだろ?」


「…。」
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