千変万化の剣

シン軍の最後尾

「どうした？

先頭の軍、近くに爆煙が見えるぞ？」

シバイが言う。


「まさか、ジパングの者の反撃では？」


クーメル改め、シバショーが言う。


「あり得ない。

奴らは私の策にはまりミンへと大軍を引き連れて行った。」



そこに一人の兵士が走ってくる。


「報告します！


ぜ、前線部隊…」

「早く言え！」

「前線部隊が全滅しましたぁ！」

兵士が叫び、周囲に動揺が広がる。


「何だと!?

敵の数は！」


「一人です！」


「な、何だと？

私の軍がたかが一人にやられたのか！」


「は、はい。

こ、ここは一旦退いた方が…」


ザシュッ、


「私に指図をするな！


くそっ！


たかが一人ならば全員で同時に攻めろ！


後ろに控えている騎馬隊に伝えよ！


雑木林から先回りをして挟撃せよ、と！」


「はっ！」








前線


「ば、爆発が…止んだ？」


「地雷がそこをついたか。」


「よっしゃあ！

全員かかれ…」

ザシュッ、


「油断し過ぎだろ？」


「ひっ!?」

「死にたくない奴はさっさと、逃げろ。」


「くそっ！

撤退だ！」