千変万化の剣
王女達が到着したのは翌日だった。


平原



「これは?」

王女が言う。


「ふむ。

全員、シンの兵士か。」

ネネが言う。



「おそらく幸大さんがこれだけの大軍を一人でやったと思います。」

クノイチが言う。

「み、皆さん!」


イヨが叫ぶ。


「どうした?」

王女が近づく。


「こ、これ!」

イヨの手には一本の小さめの剣。


「もしかして、これは幸大の双剣の片割れじゃねぇか!?」


ベンケイが言う。


「じ、じゃあ、幸大さんは?」


イヨが膝を付く。


「まだ、解りませんよ?」

クノイチが言う。

「確かに、幸大の双剣のもう片方は見つからない。

それに幸大自身もな。」


ネネが言う。


「だけどよ!

幸大は自分の剣はどこからでも瞬間移動ができるんだぞ?

片方だけを置き去りにしてもすぐに取り戻すだろ?」

ベンケイが言う。


「それは幸大さんが意識を持っていたら、です。


例えば、ここで全員を倒した幸大さんが城に戻る途中で疲れて寝てしまい、

今現在も寝ていたら、剣は片方だけ置かれてても不思議はありません。」



「では、幸大は何処に?」

王女が呟く。
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