我が家の甘々執事サマ☆
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目の前の百瀬家専用の医師・松田はカルテを置くと、銀縁メガネを光らせて結愛を見た。
「お嬢様の発見が早くて良かったです。しかし」
低い声のトーン。薄く残る消毒液の匂いと真っ白な部屋が少し居心地悪い。
命に別状はなかったものの様々な検査を終えた爺やの結果を告げられる。
「はい…」
結愛は結果に怯えながらも返事をした。
「爺やさまは、結愛お嬢様が生まれてからこのかた15年、ずっと世話をなさっておられましたね」
メガネの奥の優しい眼差しで問いかける。わたしは軽く拳を握って、前を見た。
「…そう、ですね」