我が家の甘々執事サマ☆
上手く言葉が出てこない。喋れない。
ぐすぐすと嗚咽を漏らすと、松田は眉を下げる。
「爺や治りますよね」
シフォンのワンピースにシミができる。こんな人前で泣いたのは初めてだ。
心のなかは、不安でいっぱいで堕ちていく感覚。
ひとりにはなりたくない…。
お父様もお母様もいないから爺やとふたりで生活してきた。頑張ってるお父様やお母様の仕事は承知してるつもりだ。
でも…
爺やがいなくなったらどうしたらいいの?
松田はそっと肩に手をおいた。
「しっかりしてくださいお嬢様。しばらく入院すれば、治ります」