我が家の甘々執事サマ☆

「どなたか手配いたしましょうか?」


ん?と目配せする松田医師にわたしは口ごもってしまう。

爺やの…代わりか。


「わたし、一人でも大丈夫です」

それならば、一人がマシかな?

「いや、しかし…」

言いかけたところで看護師さんが携帯を持って入ってきた。


「先生。お電話を代わりたいと。奥さまです」


(お母様!?)


少々緊張しているのか「あぁ」と声のトーンが変わり、そっと受けとる松田医師。


「いえ、全然。えぇ、お嬢様が…お一人で…確かにそうですが…」


「お嬢様、どうぞ」


手渡された赤い携帯電話。わたしは髪をかきあげて耳に当てる。


「…もしもし」


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