雨音の記憶

第4節 眠り

そんな中、俊介は偶々早朝の会議に出席する為に何時もより早く会社に出社した処、入口で夏実とばったりと出くわしたのである。俊介にとっては千載一遇のチャンスだった。高鳴る胸の内を、とにかく抑えながら俊介は夏実に向かって、兎に角自然に朝の挨拶をした。

きっかけが出来てからの二人の進展は目に見えて加速して約1年の交際期間を経て、俊介は夏実にプロポーズ、夏実の口からも快い返事を取り付ける事が出来た。そして、今、二人は結婚式の準備に休日の殆どを費やしてしまう生活に突入したので有る。俊介は夢の中で其処までを現実の様に反芻した。


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