雨音の記憶
窓の外では雨音が更に激しくなり土砂降りの様相を呈していた。

それに合わせて、俊介の眠気はピークを迎えて彼は又しても、甘い眠りの中に落ちて居た。

今度の夢は、つい最近の出来事だった。

大学を卒業して、現在の会社に就職すると、同期で入社した夏実と知り合いになった。

彼女には、ほぼ一目惚れに近い状態だったが、学生時代、あまり女性と付き合った経験の無い俊介にとって女性に向かって自分の思いを伝える事は至難の技だった。

日がな一日彼女の事を考えて仕事に身が入らなかったり考えられないポカをやったりと散々な目に合う自分に腹を立てながら鬱々とした日々を過ごしていた。
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