雨音の記憶
最近忙しかったからな」

俊介は最近の仕事や結婚式の準備やらの雑務で少し疲れが溜まって居るのかもしれないと思い、その眠気に逆らうのをやめて、ベッドに這い上がった。そして、横になると、ほぼ同時に眠りに落ちてしまった。

それが、夢である事を実感しながらも目が覚めず、夢の中で過ごしてしまう事が有る。 俊介も今、例外では無かった。俊介は、今、夢の中を彷徨っていた。
俊介は小学生位の少年に戻って居た。

そして、そこは教室の中で、女性教師が、生徒に向かって、国語の授業をしている最中だった。

しかし、俊介は授業などそっちのけで隣の女の子とお喋りに夢中に成って居た。そして、それは延々と続き、業を煮やした女教師は俊介を立たせ、授業中にも関わらず、席替えをしてしまったのだった。

俊介は、それが酷く悲しくなって、他の生徒の迷惑も顧みずに、火が付いた様にその場で泣き出してしまった。

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