雨音の記憶

第3節 窓際

女教師は、それを見て激しく狼狽した。

この様な反応を見せた生徒は、俊介が初めてだった様だ。
そして教師は仕方無く、授業中にお喋りするのを止める様に約束させると、席を元に戻したのだった。

そこで、俊介は眼を覚ました。

今の夢は、俊介の実体験だった。母親にも確か、そんな事が有ったと聞かされて居た。これも、俊介にとっては恥じるべきエピソードの一つだった。

授業中は大人しくして居るのが基本で有るにも関わらず、隣の席の子と話し込んで、注意されると泣いて抵抗したのだ。こんな反応を示したのは、俊介が初めてだと母親ずてに聞いた事を思い出した。
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