ずっと好き。
振り向いたら、海君の前で泣いてしまいそうだったから。

振り向かずに、走って、走って、走り続けた。


そういえば、海君に告られる前、海君ファンに嫉妬して、音楽室から出て行ったあの日と同じ気持ち。

今、あの時と同じ気持ちだ。

同じ位辛くて、苦しくて、胸が張り裂けそうになって。

さっき会ったばっかなのに、また会いたくなって。

走り疲れて、休憩する度に涙が出てきて。


「はぁ・・・っ海君・・・っ!!」


ずっと堪えていた涙は止まる事なく私の頬を伝って、

私の中の何かと一緒に流れていくようなカンジで、

頬を伝った。


もう、ダメかもしんない。

好きすぎて、好きでいるのが辛くて。



会えないって言う壁に立ち向かうのが辛くて。

もう、ダメかもしんない。



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