ずっとあなたが好きでした
「俊也の従姉妹だったんだ…。」

「もう、別れ話はなしで良いよな?」

「俊也…」

「何?」

「相変わらず、モテるね。」

「…。」

「私、校門で待ってたけど、俊也の所に行けなかったよ。」

「ごめん。でも、俺は香が好きだから、関係ねーよ。」

「…。」

「俺、香しか見てねー。見てねーよ。それでも嫌だ?」

俊也は必死だった。

私のどこが好きなんだろう?

聞くのが怖い。

「じゃあ、じゃあさ、どうしたら信じてくれる?」

「…。どうしたら…」

「どうしたら良い?どうしたら不安にならない?」

「…。」

私は下を向いて、黙っていた。

私にも分からなかった。

どうしたら不安にならないのか分からない。

「香、こっち向けよ?何か喋ってよ。黙ってても分からないだろ?」

俊也は困っていた。

辛そうだった。

「私にも…分からないの。」

「だったら、別れるの?俺は、香がモテても絶対自分から別れるなんて言わねーよ。」

「…。」

「やっぱり、俺の事、その程度しか想ってねーんだな。」

「俊也の事は大好きだよ。俊也には私の気持ちなんて分からないよ。」

「分かんねーよ。分かんねーから、どうしたら良いか聞いてるんだろ?でも香、何も答えてくんねーし、俺のが分かんねーよ。」

「ごめん。」

俊也は私の手首を強く掴んだ。

「俊也、痛いよ。放して!」

「放さねー。」

「お願い、放して、俊也!」

「ごめん。」

俊也は下を向いて少し泣いていた。

「俊也?」

「…。」

「俊也、大丈夫?」

「ごめん。香…。香が嫌がる事したくねーんだけど…。」

俊也は泣いていた。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃねーよ。お前が別れるなんて言うから…。お願いだから、まだ俺の事少しでも好きなら、俺の…俺の傍にいてよ。」

「俺、モテない様にするから…。」

私は笑った。

「どうやって?」

「女の子が話し掛けてきても無視するとか?何だよ。こっちは真剣なのに笑ってんじゃねーよ。」

「ごめん。」

「俺ばっか、吊橋渡ってる気分なんだからな!」

「ごめん。俊也?」

「何だよ?」

「俊也って泣いててもカッコ良いね。」

「こんな時に冗談言ってんじゃねーよ。こんなみっともねーとこ見るなよ!」

「ごめん。私最低な彼女だね、俊也泣かせて。何で私いつもこうなんだろ…。」


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