【B】君の魔法


「ほらっ。
 二人ともそうやってお互いを
 探ろうとするから、
 何時までたっても
 埋まらないんだよ。

 心ちゃん、
 そして貴女の名前は?」

「雪路……雪路尊子よ」

「そっか、
 尊子さんねー。

 心ちゃんも尊子さんも
 同時に
 関係ぶっちゃけてよ」



奏音のペースに
知らず知らずのうちに
はめられて……
気がつくと、私も心さんも
お酒を飲みながら
今まで深くは交わろうとしなかった
話をひきづりだしてた。



お酒は、進み……
賑やかな、心地の良い空気が
ゆったりと流れる、
中心には、真っ直ぐな
瞳を宿した青年が
ムードーメーカーを務める。


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