【B】君の魔法
……あぁ……。
あの時。
別れ際に……
グラスの中身を
……最低……
「……ツイてないなー……」
小さく……呟く……。
「ツイてない?
そんなことないよ。
俺と出逢った君は……
ツイてないどころか……
ツイてるよ。
運がいいね」
男は……
また……整った顔立ちを
わざわざ近づけて……
軽やか言うと……クスっと笑う……。
……バカにしてるの?……
「運がいいですって。
貴方みたいな方に
捕まって……
私が楽しいとでも
思ってて。
不愉快だわ」