【B】君の魔法
「尊子さん。
少し、俺は
席を外す用事がある。
中野に頼んであるから
ゆっくりどうぞ」
一礼して、
彼女のコートを
持ったまま
ゆっくりとした足取りで
部屋へと向かう。
目的の部屋に向かうと
上着を脱いで
腕まくりをして、
ゆっくりと作業を始める。
すでに遠めには
乾いてしまって
判別がつかないか……。
コートの繊維部分まで
確認するように、
虫眼鏡で
目的の染みが
どうなるのか
細かく観察する。