【B】君の魔法


「知ってるわ。
 私も好きなブランドよ」



そう……。


好きなブランド。





負け組みの惨めな
私が精一杯の
虚勢を貼るための
武器。





私の過去を
忘れるための……
魔法の杖。




「ならっ、良かった。
 着替えたら、
 リビングに
 来てくれないかな?
 俺も着替えてくるよ」

「えぇ」



そう言うと、彼は
静かにドアを
開けて退室していった。


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