【B】君の魔法




「あの……。
 武流さんは……
 こちらの会長職?」

「預かってるだけだよ。

 ただ、どうしても
 役職で縛るというなら
 会長職ってことに
 なるんじゃない?」



今、武流さん
サラリと話されたわね。

会長職なのだと。



「今回の異動、
 武流さんの……」

「そう言うことになるね。
 俺は君が気になった。

 気に入っただけでは
 流石に、
 ここまで昇進させられない。

 君の経験値と、
 資格を考慮したんだよ」





エレベーターの中、
サラサラと紡ぎ続けた
その声は、
最上階に着くと同時に
面影を消した。


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