王子様の溺愛カメラマン
学園祭当日は秋晴れだった。


うちの学園祭は外部からもお客さんがたくさん訪れる。


広いキャンパスは朝からお祭り騒ぎだった。


噴水横の広場ではフリマが、校舎前の並木道には屋台が並んでいる。


どれも学生主催のもので私たちのクラスはチョコバナナとクレープを売っていた。


手作りの屋台はペンキで可愛くポップアートしてあるんだ。


バナナに割りばしをしっかり刺すのはなかなか難しいんだよ。







空き時間にはミキと学園内を周りたくさん遊んだ。


ホールの近くを通った時

音楽科の学生たちが舞踏会の準備に負われているのが目に入った。




舞踏会―――…


今夜、日向くんは本当に来てくれるんだろうか。


そう思うと期待と不安で胸がドキドキしてきて。


無意識のうちに私は溢れる人混みの中で日向くんを探していた。


他校の生徒を見るたびに反応して。


バカみたいだよね。


冬島先輩に言われただけで来るかどうかも分からないのに。




だけど…逢いたい。


日向くんに逢いたいよ……


< 129 / 335 >

この作品をシェア

pagetop