王子様の溺愛カメラマン
空がオレンジに染まると並木道に並ぶレトロな電灯に灯りがついた。



同時に我が校が誇る巨大ホールにも灯りがともる。


ドーム型のホールは下からライトアップされ、夕闇の空を背景に圧倒的な存在感を示していた。





今宵のメインイベント
宴の始まりだ――…








特設の控え室でそれぞれの衣装に着替えた生徒たちがホールに吸い込まれていく。


私とミキも着替えに向かった。


ミキは赤いタイトなマーメイド風のワンピースでモダンに決めていた。


髪は片方へ流しシャンパンゴールドのパンプスが白い足に艶やかだった。


大胆なミキの雰囲気にぴったり…!


「ミキ~すごく綺麗だよ~」


「エマもすっごくかわいい」


お互いに誉めあって、いつもと違う雰囲気に気分が高まっていく。


社交界みたいに堅苦しくもない。


大好きな親友ととびきりオシャレをしてパーティーに行く。





もし今夜……


もし本当に日向くんが来てくれたら私きっと告白出来そうだ。



そう思えるくらい気分は高まっていた。



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