王子様の溺愛カメラマン
数分間に及ぶ演奏が終わると、冬島先輩は立ち上がり私を見た。
その額には小さな汗の粒を浮かべている。
「これが本来の僕だ」
「……!」
先輩の真剣な瞳に私は思わず生唾を飲んだ。
「ホンモノの僕を見た上で答えが欲しかった。だから…今までしつこく付きまとってしまったんだ」
「ふ、冬島先輩…」
冬島先輩は一歩私に近付くと、右手をグッと私に差し出した。
「僕とお付き合い下さい」
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