王子様の溺愛カメラマン
リビングには仕事が終わり風呂も済ませた親父がいた。


「エマちゃん！いらっしゃい、いつ見ても可愛いね」



親父……

いつも適当なスウェットのクセに今夜はナイキのジャージを着てるし。




「ほら、お腹すいたでしょ？ご飯あるのよ」


「今夜はうちの加奈子の特製オムライスだよ」


親父とオカンが二人してエマをもてなしている。



「つか、なんでいきなり呼んだんだよ？」


俺はハート型のケチャップで彩られたオムライスにスプーンを刺しながら向かいに座る親父に聞いた。


親父はスプーン片手にフッと微笑む。


「父さんの勘をなめるなよ？」


「は？」


「お前が昨晩やけにツヤツヤして帰ってきた時から何か怪しいと思ってたんだ」


「ぶッ…」


俺は思わずオムライスを吹いて赤面した。



ツヤツヤって…

亮太にも今朝言われたけど俺ってそんなに分かりやすいのか？


しかも…

オムライスの中身はケチャップライスに見せかけた赤飯だった。




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